Alameda

緩い日差しの午後、遠くで子供らの嬌声が聞こえる。
そのほかには風の音、木々のざわめき、肩から提げたカメラの音。そして自分の足音。

自分の足音を意識して聞くことは、なかなかないことではなかろうか。
僕は右足を少し引き摺る。
古傷が右ひざにあるのだが、すでに痛みなどないので半ば癖になっているのだろう。

4ビートが基本なのだけど、引き摺るせいで裏が入る感じ。
16ビートになっている。

娘がまだ幼い頃、ずい分遠くから僕を見つけて駆け寄ってきたことがあった。
そんなに目立つ格好をしていたつもりはなかったので、どうしてそんなに遠くから分かったのかと聞くと、歩き方で分かったのだと言う。
ふと、そんな事を思い出した散歩道。