一千一秒物語

シングルカットされた「風立ちぬ」や「白いパラソル」は、松田聖子に興味がないという人でも聞いたことくらいはあると思う。
そんな人も、一度だまされたと思ってアルバムを聞いていただきたい。
当時、日本のミュージックシーンで考えうる最高のブレインを集めて、表現力に長けたアイドルをプロデュースするとこうなる、という見本だ。
それまではアイドル歌手の歌に質を求める声はなかったが、このアルバム以降、ただかわいくて歌がそこそこ上手いだけでは評価されない時代になっていく。

楽曲のレベルが高いのは尤もだとして、やはり松田聖子の歌唱力に聞き入ってしまう。
彼女は大瀧詠一以外にも呉田軽穂(松任谷由実)、財津和夫、細野晴臣、佐野元春、尾崎亜美などの楽曲提供を受けているが、やはりその後作曲した本人によるセルフカバーよりも断然に出来がいい。

何だかんだと紆余曲折があった彼女だが、時代を築いたアイドルとしては最後のアイドルではなかったか。
当時に多感な時期を過ごした人たちには、何かしら記憶にリンクする歌声を持った人である。 

 

フジカ賛歌

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香嵐渓のお伴にしたのは、いつものフジカ35EEです。
いつもと違うのは期限切れ間近のコダックGOLD100を詰めたこと。
フジノン45mmF1.9はカラーだって好いんです。

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1961年に発売されたカメラですから、もう50歳に手が届きます。
世界で初めて1/1000を搭載したレンズシャッター機のフジカ35SEの後継機として、シャッター優先EEを搭載して発売した二重像合致式のレンジファインダーカメラです。

背面にあるノブでピントを合わせたり巻き上げレバーが底面にあったりと、一風変わったカメラに見えますが、古いフォクトレンダーやコダック・レチナなんかでも同様の機構があったりしますね。

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このカメラは、例によってジャンクワゴンからサルベージしたものですが、ファインダの見え具合がよろしくなく、また露出計もダメになっていたものでした。
ファインダはバラせば何とかなると踏んでいましたが、セレンがダメになっているとしたら露出計の復活が難しいだろうと、もう1台ジャンクを買って「ニコイチ」にしたものです。

そのために一度バラした経験がありますが、工作精度も高く、丁寧に作られたカメラであるのが分かります。
大口径レンズもフジノンらしい繊細な描写をします。
レンズ音痴な僕が、好いレンズだなぁと思ったのは、過去ズマロン35/3.5以来久しぶりのことです。

晩秋

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ちょっと遅い感じで香嵐渓へ。
いつもは夜間ライトアップに行くのだけど、ライトで赤く見えるのか本当に赤いのか分からないと言う意見を尊重して、今年は昼間にしました。
先週末くらいがピークだったらしく、赤は少しくすみ始めています。
次に雨が降ったら、もうお終いでしょうね。
香嵐渓もいいんですが、近くの足助の町も鄙びた感じが好きで、この辺りに来るとぶらぶら歩きます。
足助はフイルムが終わらなかったので、また後日紹介しましょう。

カラーネガのスキャン

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カラーネガのスキャンは、これが正しいというやり方が確立されていないのかも知れません。
と言うのも、聞く人によって方法が実に様々なのです。
もちろん自動補正で何の問題もない場合もありますが、ネガのラティテュードを考えると、必ずしも自動補正がそのポテンシャルを引き出しているとは言えないこともあります。

今から書くのはあくまで「僕のやり方はこうです」という方法です。
これが正解というわけではないと思います。
ちょっと長いですが、興味のある方はごらんになってみて下さい。

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カラーネガ

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モノクロばっかり撮ってると、カラーが新鮮で新鮮で…(笑)
しかも普段はロクに構図も考えず、適当に絞ってピントも結構アバウトな撮り方をしてるもんだから、ちゃんと三脚を使って構図を考え、ピントもちりちり合わせて撮ると、何か(俺って本格的じゃん?)みたいな(笑)
三脚はマンフロットの#190(だったっけ?)これも、もう10年以上経つんじゃないか、と。
重過ぎず軽過ぎずでサイズも手頃なので、もうずっとこればっかりです。

解像感だとかの話ならポジの方がいいんでしょうけど、最新のネガも捨てたもんじゃないでしょう?
何か「ほっこり」した感じが好いです。

そろそろ紅葉もおしまいですね。
三脚担いでクリスマスイルミネーションでも撮りに行きますか。