緊張と緩和

RICOH GR Digital IV

「一生懸命のお喋りでございます」
「緊張と緩和なのでございます」
と書けばお分かりになる方はピンと来るのではないかと思うのです。
出囃子は「昼まま」

落語が好きだと言う話は以前にも書いた事があるかと思います。
その時は志ん朝の話だったと思いますが、志ん朝と言えば忘れてはならないのが上方の枝雀でございます。
枝雀師匠と言えば、あの大きなアクションや表情豊かに抑揚を付けた喋りを思い起こされる方が多くございましょう。
高座では常に笑顔、明るい表情しか見せなかった師匠ですが、1999 年に自死されています。
聞けば重度の鬱病であったのだとか。

その事からも師匠が如何にアーティストであったかが分かるのです。
笑いに対する真摯でひた向きな情熱を、ただ己の芸に向け、もっと上に、さらに上にと自分を追いつめ過ぎた結果であると師匠を知る人は後述しています。
ただ本当の事は分かりません。遺書も何もなかったのですから。

師匠の十八番は「代書屋」「宿替え」でした。
枕を長く取る独特の師匠のスタイル。昭和 50 年代の終わりから 60 年代初めでしょうか。
死の影なぞ微塵も感じる事はありません。返す返すも惜しい人を亡くしたのです。

お好きな方もそうでない方も、今一度話芸を堪能してみてください。

2 thoughts on “緊張と緩和

    1. ありがとうございます。普段はあまりモノクロ化とかやらないんですが、雨だったのでトーンが如何にもモノクロ向きな日だったので。LR でネチネチ追い込みました 笑

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