Prevention of senility

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2 枚は同じ場所で連続して撮影した物。
1 枚目のベビーカーを押しているのが多分ママで、2 枚目の子どもを抱っこしているのがパパ。
休日の午後の風景だ。

この 2 枚、露出が違うのが分かるだろうか。
遠景のビルのディティールが、1 枚目では白く飛んでしまっているが、2 枚目ではしっかりと階調を残している。
1 枚目は完全に露出オーバーだ。

撮影したのはミノックス IIIS だ。
ミノックスは IIIS のみならず、全ての機種が開放値 f/3.5 で固定されている。
「そんな浅い被写界深度で …」と思われるかも知れないが、ミノックスサイズのフィルムは大変小さいので、この場合の f/3.5 は 35mm 換算で f/16 くらいになるのだとか。
そのお陰で目測でも不自由は感じないのである。
ただ露出において f/3.5 で最高速が 1/1000 というのは、明らかに使える感度に制限があるのはお分かり頂けると思う。

IIIS に付属しているゴッセンの露出計は小さくて使い勝手も良い。
セレン式なので針の動きものっそりとしているが割と正確でもある。
開放 f/3.5 なので、針は指定した ISO 感度に合わせて適合するシャッタースピードを示す。
ISO 感度が 25 とか 10 なら問題ないが、80 とかになってくると、1/1000 のシャッタースピードでは追いつかない。
その為にミノックスにはフィルターが内蔵されている。
IIIS の場合は 2 段の黄緑、4 段の赤が入っているのだが、明るい方向に向けると露出計は針を振り切ってしまっている。
4 段減らすにしても、どこから 4 段落とせば良いのかが分からないのだ。

この写真の場合も同様で、仕方なく僕は適正値を 1/2000 とした分と 1/4000 とした分の 2 度シャッターを切った。
つもりだった ( 笑 )
誠にお恥ずかしい話なのだけど、この IIIS はフィルムを送りシャッターをチャージする挙動 ( つまりはボディの伸縮 ) の度にフィルターがリセットされるのをすっかり失念していたのだ。

話がややこしくなってしまうが、撮った順番としては 2 枚目が先だ。
従って 2 枚目はレッドフィルターの効果もあって、適正な露出で撮れている。
1 枚目もオーバーではあるが、ネガフィルムである事から何とか画が分かる範囲で収まった。

押せば写るカメラが当たり前の中、こういうのもアタマの体操として、あるいはボケ防止として有用なのである。