奥殿陣屋

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Carl Zeiss Tessar f=7.5cm 1:3.5
Rollei RETRO 80S
( R09 ONE SHOT 1:50 14’00” )

岡崎というのは、今更だが徳川家康の生誕した場所である。
家康は松平家の家系であるので、この周辺には松平に因んだ名所・旧跡が多い。
松平は江戸期になって有力な外様大名に名前を授けたりしているので非常に分かりにくい家系になっているが、家康は松平宗家である安祥松平家 ( ここには松平家内での勢力争いがある ) 九代である。

そんな旧跡のひとつである「奥殿陣屋」だが、僕は「陣屋」の概念がそもそも間違っていた。
「陣屋」と言うと高山の陣屋を思い浮かべていたのだけど、何の根拠もなく宿場にある本陣のような感覚を持っていた。
当たらずも遠からじなのだが「陣屋」とは今でいう地方の役所を指し、宿場に限った物ではないのだ。

奥殿陣屋に関しては、以下 wiki を引用する。

徳川秀忠に仕え、大坂の陣の戦功により3千石を与えられた松平真次が、大給(豊田市)に陣屋を構えたことから奥殿松平家は始まる。第2代乗次のとき1万6千石の大名となり、宝永4年(1707年)に奥殿に陣屋が完成したため第4代乗真が移った。以後、文久3年(1863年)に田野口に移転するまで奥殿藩の中心となった。最後の藩主乗謨(後に大給恒 1839年~1910年)は博愛社(日本赤十字社の前身)の設立に尽力した人物として知られる。
当時は御殿・役所・書院・学問所・厩・馬場などがあったが、廃藩置県後にそれらは移築や取り壊しが行われ、陣屋の跡地はほぼ田畑となってしまった。しかし昭和59年(1984年)に、近辺(岡崎市桑原町)にある曹洞宗の寺院・龍渓院の庫裏になっていた書院が移築復元された。現在は「村積山自然公園」の一部として整備され、書院や日本庭園、食事施設、観光農園などを持つ観光施設となっている。そのほか裏に歴代藩主の墓所や土塁も残されている。
またここで、NHKの連続テレビ小説『純情きらり』のロケも行われた。
奥殿陣屋は岡崎観光きらり百選に選定されている。

silly me

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COMPLAN f=15mm 1:3.5
Rollei RETRO 80S
H&W Control Developer ( 1:15 20℃ 10’00″ )

僕は恵まれた子ども時代を過ごしたのだ、と思う。
乳母日傘と言うか、貧乏人のボンボンと言うか。
お陰で他人を疑ったりする事がまるでなかった。

それが良い事なのかどうかは別の話だが、お陰で僕は大人になって人付き合いに苦労した。
世の中には善意の人ばかりではない事を社会に出てから初めて知った。
それどころか、何の恨みがあるのか知らないが、最初から敵意を剥き出しにする人すらいた。
僕は全く理解できず、どう対処していいのか分からないまま、ただ狼狽えた。

それが少しずつ解消されるようになると、僕は随分卑怯な男になっているのに気付いた。
媚び諂い、長い物には巻かれ、大樹に寄りかかっていた。
よくこういった事は否定されるのだけど、みんなはそうではないのだろうか。
媚びず、長い物にも巻かれず、樹になんぞ寄りかからない。
みんなそうなのだろうか。

もうサラリーマンを二十数年も続けている。
正直に言えば、未だに狼狽える。
ただ、あの頃と違うのは「やり過ごす」術を覚えた事だ。
何とも姑息な話ではないか。